夏目漱石俳句集 <五十音順> あ


夏目漱石俳句集


<五十音順>





あい 相逢ふて語らで過ぎぬ梅の下 1610
挨拶や髷の中より出る霰 1006
明た口に団子賜る梅見かな 1545
生憎や嫁瓶を破る秋の暮 948
合の宿御白い臭き衾哉 386
あう 逢ふ恋の打たでやみけり小夜砧 1403
あお 青石を取り巻く庭の菫かな 686
青梅や空しき籠に雨の糸 2081
青葉勝に見ゆる小村の幟かな 1156
仰向て深編笠の花見哉 750
青柳の日に緑なり句を撰む 2076
青柳擬宝珠の上に垂るゝなり 2047
青山に移りていつか菊の主 2235
あか 赤い哉仁右衛門が脊戸の蕃椒 215
閼伽桶や水仙折れて薄氷 126
銅の牛の口より野分哉 2114
赤き日の海に落込む暑かな 1793
赤き物少しは参れ蕃椒 1720
垢つきし赤き手絡や春惜む 2072
暁に消ぬ可き月に鹿あはれ 1990
暁の埋火消ゆる寒さ哉 444
暁の梅に下りて嗽ぐ 1582
暁の水仙に対し川手水 1316
暁の夢かとぞ思ふ朧かな 518
暁や消ぬべき月に鹿あはれ 1990
暁や白蓮を剪る数奇心 1658
暁や夢のこなたに淡き月 2211
あき 秋浅き楼に一人や小雨がち 2154
秋暑し癒なんとして胃の病 1699
空家やつくばひ氷る石蕗の花 1011
秋風と共に生へしか初白髪 24
秋風の聞えぬ土に埋めてやりぬ 2434
秋風のしきりに吹くや古榎 1870
秋風の一人をふくや海の上 1789
秋風や唐紅の咽喉仏 2125
秋風や京の寺々鐘を撞く 881
秋風や坂を上れば山見ゆる 207
秋風や走狗を屠る市の中 1975
秋風や棚に上げたる古かばん 1269
秋風や茶壺を直す袋棚 1763
秋風やひゞの入りたる胃の袋 2131
秋風や屠られに行く牛の尻 2302
秋風や梵字を刻す五輪塔 1686
秋風や真北へ瀑を吹き落す 248
秋草を仕立てつ墓を守る身かな 2169
秋さびて霜に落けり柿一つ 17
秋寒し此頃あるゝ海の色 1397
秋雨に明日思はるゝ旅寐哉 226
秋雨に行燈暗き山家かな 221
秋雨や杉の枯葉をくべる音 1683
秋雨や蕎麦をゆでたる湯の臭ひ 1684
秋高し吾白雲に乗らんと思ふ 953
秋立つ日猫の蚤取眼かな 2489
秋立つや一巻の書の読み残し 2484
秋立や断りもなくかやの内 1868
秋立つや千早古る世の杉ありて 870
秋立つや萩のうねりのやゝ長く 1710
秋立つや眼鏡して見る三世相 1697
秋となれば竹もかくなり俳諧師 2490
秋茄子髭ある人に嫁ぎけり 1701
秋に入って志あり天下の書 1715
秋の江に打ち込む杭の響かな 2124
秋の思ひ池を繞れば魚躍る 2119
秋の蚊と夢油断ばしし給ふな 1293
秋の蚊の螫さんとすなり夜明方 2170
秋の蚊の鳴かずなりたる書斎かな 2030
秋の蚊や我を螫さんと夜明方 2170
秋の川真白な石を拾ひけり 1682
秋の川故ある人を脊負ひけり 156
秋の雲只むらむらと別れ哉 110
秋の暮関所へかゝる虚無僧あり 270
秋の暮一人旅とて嫌はるゝ 1276
秋の暮野狐精来り見えて曰く 1415
秋の蝉死に度くもなき声音かな 64
秋の空浅黄に澄めり杉に斧 2127
秋の空幾日迎いで京に着きぬ 1991
秋の空鳥海山を仰ぎけり 1994
秋の空名もなき山の愈高し 93
秋の蠅握つて而して放したり 947
秋の日中山を越す山に松ばかり 943
秋の日のつれなく見えし別かな 1420
秋の山いでや動けと瀑の音 241
秋の山後ろは大海ならんかし 102
秋の山静かに雲の通りけり 212
秋の山に逢ふや白衣の人にのみ 2109
秋の山松明かに入日かな 942
秋の山南を向いて寺二つ 85
秋はふみ吾に天下の志 1715
秋晴に病間あるや髭を剃る 2126
秋晴や山の上なる一つ松 2110
秋行くと山僮窓を排しいふ 946
あく 明くる夜や蓮を放れて二三尺 1943
あけ 扛げ兼て妹が手細し鮓の石 1169
明けたかと思ふ夜長の月あかり 2517
明けの菊色未だしき枕元 2223
明けやすき七日の夜を朝寝かな 63
明け易き夜ぢやもの御前時鳥 502
あさ 朝貌に好かれそうなる竹垣根 23
朝貌にまつはられてよ芒の穂 2486
朝顔の今や咲くらん空の色 1995
朝貌の黄なるが咲くと申し来ぬ 845
朝貌の葉影に猫の眼玉かな 1872
朝貌や垣根に捨てし黍のから 76
朝貌や咲た許りの命哉 25
朝顏や手拭懸に這ひ上る 1400
朝貌や鳴海絞を朝のうち 2282
朝貌や惚れた女も二三日 1973
朝懸や霧の中より越後勢 1257
朝桜誰ぞや絽鞘の落しざし 281
朝寒に樒売り来る男かな 75
朝寒の顔を揃へし机かな 1722
朝寒の膳に向へば焦げし飯 1281
朝寒の鳥居をくゞる一人哉 196
朝寒の楊子使ふや流し元 1422
朝寒の冷水浴を難んずる 1279
朝寒み白木の宮に詣でけり 1685
朝寒み夜寒みひとり行く旅ぞ 1301
朝寒も夜寒も人の情かな 2209
朝寒や生きたる骨を動かさず 2250
朝寒や雲消て行く少しづゝ 230
朝寒や太鼓に痛き五十棒 2191
朝寒や自ら炊ぐ飯二合 2086
朝日さす気色や広き露の原 1713
朝日のつと千里の黍に上りけり 2004
あし 足腰の立たぬ案山子を車かな 2194
蘆の花夫より川は曲りけり 155
足弱を馬に乗せたり山桜 782
あす 梓彫る春雨多し湖泊堂 1104
梓弓岩を砕けば春の水 683
あせ 汗を吹く風は歯朶より清水かな 1963
あた あたら元日を餅も食はずに紙衣哉 573
新らしき命に秋の古きかな 2203
新らしき蕎麦打て食はん坊の雨 924
新しき畳に寐たり宵の春 1783
新しき願もありて今朝の春 1780
あつ あつきものむかし大坂夏御陣 849
あつ苦し昼寐の夢に蝉の声 21
あと 後に鳴き又先に鳴き鶉かな 899
あな 穴のある銭が袂に暮の春 2068
穴蛇の穴を出でたる小春哉 482
あね 姉様に参らす桃の押絵かな 1085
あほ 阿呆鳥熱き国にぞ参りける 1790
あま 甘からぬ屠蘇や旅なる酔心地 1348
天草の後ろに寒き入日かな 1338
あまた度馬の嘶く吹雪哉 357
尼寺に有髪の僧を尋ね来よ 51
尼寺や芥子ほろほろと普門品 503
尼寺や彼岸桜は散りやすき 497
天の河消ゆるか夢の覚束な 2177
尼二人梶の七葉に何を書く 89
あめ 雨多き今年と案山子聞くからに 2219
雨がふる浄瑠璃坂の傀儡師 662
雨ともならず唯凩の吹き募る 1855
雨に雲に桜濡れたり山の陰 1139
雨に濡れて鶯鳴かぬ処なし 757
雨に雪霰となつて寒念仏 528
雨晴れて南山春の雲を吐く 702
あゆ 鮎渋ぬ降り込められし山里に 892
鮎の丈日に延びつらん病んでより 2172
あら 荒壁に軸落ちつかず秋の風 1704
嵐して鷹のそれたる枯野哉 358
あら鷹の鶴蹴落すや雪の原 359
荒滝や野分を斫て捲き落す 240
あら滝や満山の若葉皆震ふ 500
ある ある画師の扇子捨てたる流かな 812
ある時は新酒に酔て悔多き 1303
ある時は鉢叩かうと思ひけり 1529
ある程の梅に名なきはなかり鳧 1540
有る程の菊抛げ入れよ棺の中 2242
或夜夢に雛娶りけり白い酒 1080
あわ 粟折つて穂ながら呉るゝ籠の鳥 1265
粟刈らうなれど案山子の淋しかろ 1254
逢はで散る花に涙を濺へかし 787
粟の後に刈り残されて菊孤也 1312
粟の如き肌を切に守る身かな 2186
粟みのる畠を借して敷地なり 1712
あん あんかうは釣るす魚なり縄簾 370
鮟鱇や小光が鍋にちんちろり 2083
あんかうや孕み女の釣るし斬り 369
安産と涼しき風の音信哉 2079
暗室や心得たりときりぎりす 1727
行燈にいろはかきけり秋の旅 9
行燈に奈良の心地や鹿の声 1984
行燈や短かゝりし夜の影ならず 1238
案の如くこちら向いたる踊かな 1234


  



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