テーマ:子規への句稿

正岡子規へ送りたる句稿 その三十五

句稿 三十五  〔二十九句〕 明治三十二年十月十七日(火) 1711 いかめしき門を這入れば蕎麦の花 1712 粟みのる畠を借して敷地なり 1713 松を出てまばゆくぞある露の原 1714 韋編断えて夜寒の倉に束ねたる 1715 秋はふみ吾に天下の志 1716 頓首して新酒門内に許されず 1717 肌寒と…
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正岡子規へ送りたる句稿 その三十四

句稿 三十四  〔五十一句〕 明治三十二年九月五日(火) 1659 馬渡す舟を呼びけり黍の間 1660 堅き梨に鈍き刃物を添てけり 1661 馬の子と牛の子と居る野菊かな 1662 温泉湧く谷の底より初嵐 1663 重ぬべき単衣も持たず肌寒し 1664 谷底の湯槽を出るやうそ寒み 1665 山里や今宵…
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正岡子規へ送りたる句稿 その三十三

句稿 三十三  〔百五句〕 明治三十二年二月     梅花百五句 1537 夫子貧に梅花書屋の粥薄し 1538 手を入るゝ水餅白し納屋の梅 1539 馬の尻に尾して下るや岨の梅 1540 ある程の梅に名なきはなかり鳧 1541 奈良漬に梅に其香をなつかしむ 1542 相伝の金創膏や梅の花 154…
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正岡子規へ送りたる句稿 その三十二

句稿 三十二  〔七十五句〕 明治三十二年一月 1431 金泥の鶴や朱塗の屠蘇の盃 1432 宇佐に行くや佳き日を選む初暦 1433 梅の神に如何なる恋や祈るらん 1434 うつくしき蜑の頭や春の鯛 1435 蕭条たる古駅に入るや春の夕 1436 兀として鳥居立ちけり冬木立 1437 神苑に鶴放ちけり梅の…
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正岡子規へ送りたる句稿 その三十一

句稿 三十一  〔二十句〕 明治三十一年十月十六日(日) 1402 立枯の唐黍鳴つて物憂かり 1403 逢ふ恋の打たでやみけり小夜砧 1404 蝶来りしほらしき名の江戸菊に 1405 塩焼や鮎に渋びたる好みあり 1406 一株の芒動くや鉢の中 1407 乾鮭のからついてゐる柱かな 1408 病妻の閨に灯と…
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正岡子規へ送りたる句稿 その三十

句稿 三十  〔二十句〕 明治三十一年九月二十八日(水) 1380 小き馬車に積み込まれけり稲の花 1381 夕暮の秋海棠に蝶うとし 1382 離れては寄りては菊の蝶一つ 1383 枚をふくむ三百人や秋の霜 1384 胡児驕つて驚きやすし雁の声 1385 砧うつ真夜中頃に句を得たり 1386 踊りけり…
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正岡子規へ送りたる句稿 その二十九

句稿 二十九  〔二十句〕 明治三十一年五月頃 1358 春雨の隣の琴は六段か 1359 瓢かけてからからと鳴る春の風 1360 鳥籠を柳にかけて狭き庭 1361 来よといふに来らずやみし桜かな 1362 三条の上で逢ひけり朧月 1363 片寄する琴に落ちけり朧月 1364 こぬ殿に月朧也高き楼 1…
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正岡子規へ送りたる句稿 その二十八

句稿 二十八  〔三十句〕 明治三十一年一月六日(木) 1327 行く年や猫うづくまる膝の上 1328 焚かんとす枯葉にまじる霰哉 1329 切口の白き芭蕉に氷りつく 1330 家を出て師走の雨に合羽哉 1331 何をつゝき鴉あつまる冬の畠 1332 降りやんで蜜柑まだらに雪の舟 1333 此炭の喞つ…
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正岡子規へ送りたる句稿 その二十七

句稿 二十七  〔二十句〕 明治三十年十二月十二日(日) 1302 淋しくば鳴子をならし聞かせうか 1303 ある時は新酒に酔て悔多き 1304 菊の頃なれば帰りの急がれて 1305 傘を菊にさしたり新屋敷 1306 去りしとてはむしりもならず赤き菊 1307 一東の韻に時雨るゝ愚庵かな 1308 凩や鐘…
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正岡子規へ送りたる句稿 その二十六

句稿 二十六  〔三十九句〕 明治三十年十月 1262 樽柿の渋き昔しを忘るゝな 1263 渋柿やあかの他人であるからは 1264 萩に伏し薄にみだれ故里は 1265 粟折つて穂ながら呉るゝ籠の鳥 1266 蟷螂の何を以てか立腹す 1267 こおろぎのふと鳴き出しぬ鳴きやみぬ 1268 うつらうつら聞き初…
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正岡子規へ送りたる句稿 その二十五

句稿 二十五  〔六十一句〕 明治三十年五月二十八日(金) 1157 行く春を剃り落したる眉青し 1158 行く春を沈香亭の牡丹哉 1159 春の夜や局をさがる衣の音 1160 春雨の夜すがら物を思はする 1161 埒もなく禅師肥たり更衣 1162 よき人のわざとがましや更衣 1163 更衣て弟の脛何…
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正岡子規へ送りたる句稿 その二十四

句稿 二十四  〔五十一句〕 明治三十年四月十六日(金) 1105 古往今来切つて血の出ぬ海鼠かな 1106 西函嶺を踰えて海鼠に眼鼻なし 1107 土筆物言はずすんすんとのびたり 1108 春寒し墓に懸けたる季子の剣 1109 抜くは長井兵助の太刀春の風 1110 剣寒し闥を排して樊かいが 1111…
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正岡子規へ送りたる句稿 その二十三

句稿 二十三  〔四十句〕 明治三十年二月 1061 酒苦く蒲団薄くて寐られぬ夜 1062 ひたひたと藻草刈るなり春の水 1063 岩を廻る水に浅きを恨む春 1064 散るを急ぎ桜に着んと縫ふ小袖 1065 出代の夫婦別れて来りけり 1066 人に死し鶴に生れて冴返る 1067 隻手此比良目生捕る汐干よな…
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正岡子規へ送りたる句稿 その二十二

句稿 二十二  〔二十二句〕 明治三十年一月 1039 生れ得てわれ御目出度顔の春 1040 五斗米を餅にして喰ふ春来たり 1041 臣老いぬ白髪を染めて君が春 1042 元日や蹣跚として吾思ひ 1043 馬に乗つて元朝の人勲二等 1044 詩を書かん君墨を磨れ今朝の春 1045 元日や吾新たなる願あ…
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正岡子規へ送りたる句稿 その二十一

句稿 二十一  〔六十二句〕 明治二十九年十二月 969 凩や海に夕日を吹き落す 970 吾栽し竹に時雨を聴く夜哉 971 ぱちぱちと枯葉焚くなり薬師堂 972 浪人の寒菊咲きぬ具足櫃 973 謡ふべき程は時雨つ羅生門 974 折り焚きて時雨に弾かん琵琶もなし 975 銀屏を後ろにしたり水仙花 97…
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正岡子規へ送りたる句稿 その二十

句稿 二十  〔二十八句〕 明治二十九年十一月 941 藻ある底に魚の影さす秋の水 942 秋の山松明かに入日かな 943 秋の日中山を越す山に松ばかり 944 一人出て粟刈る里や夕焼す 945 配達ののぞいて行くや秋の水 946 秋行くと山僮窓を排しいふ 947 秋の蠅握つて而して放したり 948 生…
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正岡子規へ送りたる句稿 その十九

句稿 十九  〔十五句〕 明治二十九年十月 926 今年より夏書せんとぞ思ひ立つ 927 独り顔を団扇でかくす不審なり 928 降る雪よ今宵ばかりは積れかし 929 思ひきや花にやせたる御姿 930 影法師月に並んで静かなり 931 きぬぎぬや裏の篠原露多し 932 見送るや春の潮のひたひたに 93…
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正岡子規へ送りたる句稿 その十八

句稿 十八  〔十六句〕 明治二十九年十月 910 行く秋をすうとほうけし薄哉 911 行く秋の犬の面こそけゞんなれ 912 てい袍を誰か贈ると秋暮れぬ 913 祭文や小春治兵衛に暮るゝ秋 914 僧堂で痩せたる我に秋暮れぬ 915 行秋や此頃参る京の瞽女 916 行秋を踏張て居る仁王哉 917 行…
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正岡子規へ送りたる句稿 その十七

句稿 十七  〔四十句〕 明治二十九年九月二十五日(金) 868 初秋の千本の松動きけり 869 鹹はゆき露にぬれたる鳥居哉 870 秋立つや千早古る世の杉ありて 871 見上げたる尾の上に秋の松高し 872 反橋の小さく見ゆる芙蓉哉 873 古りけりな道風の額秋の風 874 鴫立つや礎残る事五十 …
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正岡子規へ送りたる句稿 その十六

句稿 十六  〔三十句〕 明治二十九年八月 838 すゞしさや裏は鉦うつ光琳寺 839 涼しさや門にかけたる橋斜め 840 眠らじな蚊帳に月のさす時は 841 国の名を知つておぢやるか時鳥 842 西の対へ渡らせ給ふ葵かな 843 淙々と筧の音のすゞしさよ 844 橘や通るは近衛大納言 845 朝貌…
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正岡子規へ送りたる句稿 その十五

句稿 十五  〔四十句〕 明治二十九年七月八日(水) 798 海嘯去つて後すさまじや五月雨 799 かたまるや散るや蛍の川の上 800 一つすうと座敷を抜る蛍かな 801 竹四五竿をりをり光る蛍かな 802 うき世いかに坊主となりて昼寐する 803 さもあらばあれ時鳥啼て行く 804 禅定の僧を囲んで…
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正岡子規へ送りたる句稿 その十四

句稿 十四  〔四十句〕 明治二十九年三月二十四日(火) 743 先達の斗巾の上や落椿 744 御陵や七つ下りの落椿 745 金平のくるりくるりと鳳巾 746 舟軽し水皺よつて蘆の角 747 薺摘んで母なき子なり一つ家 748 種卸し種卸し婿と舅かな 749 鶯の鳴かんともせず枝移り 750 仰向て深編…
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正岡子規へ送りたる句稿 その十三

句稿 十三  〔二十七句〕 明治二十九年三月 713 三日月や野は穢多村へ焼て行く 714 旧道や焼野の匂ひ笠の雨 715 春日野は牛の糞まで焼てけり 716 宵々の窓ほのあかし山焼く火 717 野に山に焼き立てられて雉の声 718 野を焼くや道標焦る官有地 719 篠竹の垣を隔てゝ焼野哉 720 村と…
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正岡子規へ送りたる句稿 その十二

句稿 十二  〔百一句〕 明治二十九年三月五日(木) 612 つくばいに散る山茶花の氷りけり 613 烏飛んで夕日に動く冬木かな 614 船火事や数をつくして鳴く千鳥 615 檀築て北斗祭るや剣の霜 (原句 檀築て北斗祭るや夜の霜) 616 龍寒し絵筆抛つ古法眼 617 つい立の龍蟠まる寒さかな 618 …
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正岡子規へ送りたる句稿 その十一

句稿 十一  〔二十句〕 明治二十九年一月二十九日(水) 572 元日に生れぬ先の親恋し 573 あたら元日を餅も食はずに紙衣哉 574 山里は割木でわるや鏡餅 575 砕けよや玉と答へて鏡餅 576 国分寺の瓦掘出す桜かな 577 断礎一片有明桜ちりかゝる 578 堆き茶殻わびしや春の宵 (原句 堆き茶…
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正岡子規へ送りたる句稿 その十

句稿 十  〔四十句〕 明治二十九年一月二十八日(火) 532 此土手で追ひ剥がれしか初桜 (原句 此土手で追ひ剥がれしはいつ初桜) 533 凩に早鐘つくや増上寺 534 谷の家竹法螺の音に時雨けり 535 冴返る頃を御厭ひなさるべし 536 出代りや花と答へて跛なり 537 雪霽たり竹婆娑々々と跳返る …
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正岡子規へ送りたる句稿 その九

句稿 九  〔六十一句〕 明治二十八年十二月十八日(水) 430 飯櫃を蒲団につゝむ孀哉 431 焼芋を頭巾に受くる和尚哉 432 盗人の眼ばかり光る頭巾哉 433 辻番の捕へて見たる頭巾哉 434 頭巾きてゆり落しけり竹の雪 435 さめやらで追手のかゝる蒲団哉 436 毛蒲団に君は目出度寐顔かな …
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正岡子規へ送りたる句稿 その八

句稿 八  〔四十一句〕 明治二十八年十二月十四日(土) 389 定に入る僧まだ死なず冬の月 390 幼帝の御運も今や冬の月 391 寒月やから堀端のうどん売 392 寒月や薙刀かざす荒法師 393 寒垢離や王事もろきなしと聞きつれど 394 絵にかくや昔男の節季候 395 水仙は屋根の上なり煤払 …
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正岡子規へ送りたる句稿 その七

句稿 七  〔六十九句〕 明治二十八年十一月二十二日(金) 319 我脊戸の蜜柑も今や神無月 320 達磨忌や達磨に似たる顔は誰 321 芭蕉忌や茶の花折つて奉る 322 本堂へ橋をかけたり石蕗の花 323 乳兄弟名乗り合たる榾火哉 324 かくて世を我から古りし紙衣哉 325 我死なば紙衣を誰に譲る…
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正岡子規へ送りたる句稿 その六

句稿 六  〔四十七句〕 明治二十八年十一月十三日(水) 272 喰積やこゝを先途と悪太郎 273 婆様の御寺へ一人桜かな 274 雛に似た夫婦もあらん初桜 275 裏返す縞のずぼんや春暮るゝ 276 普陀落や憐み給へ花の旅 277 土筆人なき舟の流れけり 278 白魚に己れ恥ぢずや川蒸気 279 白魚…
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