正岡子規へ送りたる句稿 その二十九



句稿 二十九  〔二十句〕

明治三十一年五月頃

1358 春雨の隣の琴は六段か
1359 瓢かけてからからと鳴る春の風
1360 鳥籠を柳にかけて狭き庭

1361 来よといふに来らずやみし桜かな
1362 三条の上で逢ひけり朧月
1363 片寄する琴に落ちけり朧月
1364 こぬ殿に月朧也高き楼
1365 行き行きて朧に笙を吹く別れ
1366 搦手やはね橋下す朧月
1367 有耶無耶の柳近頃緑也
1368 颯と打つ夜網の音や春の川
1369 永き日を太鼓打つ手のゆるむ也
1370 湧くからに流るゝからに春の水

1371 禰宜の子の烏帽子つけたり藤の花
1372 春の夜のしば笛を吹く書生哉
1373 海を見て十歩に足らぬ畑を打つ
1374 花一木穴賢しと見上たる
1375 仏かく宅磨が家や梅の花
1376 鶴を切る板は五尺の春の椽
1377 思ひ切つて五分に刈りたる袷かな



熊本市井川淵町八番地 夏目金之助より
下谷区上根岸町八十二番地 正岡常規へ



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