正岡子規へ送りたる句稿 その二十二



句稿 二十二  〔二十二句〕

明治三十年一月

1039 生れ得てわれ御目出度顔の春
1040 五斗米を餅にして喰ふ春来たり

1041 臣老いぬ白髪を染めて君が春
1042 元日や蹣跚として吾思ひ
1043 馬に乗つて元朝の人勲二等
1044 詩を書かん君墨を磨れ今朝の春
1045 元日や吾新たなる願あり
1046 春寒し印陀羅といふ画工あり
1047 聾なる僕藁を打つ冬籠
1048 親子してことりともせず冬籠
1049 医はやらず歌など撰し冬籠
1050 力なや油なくなる冬籠

1051 仏焚て僧冬籠して居るよ
1052 燭つきつ墨絵の達磨寒気なる
1053 燭きつて暁ちかし大晦日
1054 餅を切る庖丁鈍し古暦
1055 冬籠弟は無口にて候
1056 桃の花民天子の姓を知らず
1057 松立てゝ空ほのぼのと明る門
1058 ふくれしよ今年の腹の粟餅に
1059 貧といへど酒飲みやすし君が春
1060 塔五重五階を残し霞けり

                    以上。



熊本市合羽町二百三十七番地 夏目金之助より
下谷区上根岸町八十二番地 正岡常規へ



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