正岡子規へ送りたる句稿 その十九



句稿 十九  〔十五句〕

明治二十九年十月

926 今年より夏書せんとぞ思ひ立つ
927 独り顔を団扇でかくす不審なり
928 降る雪よ今宵ばかりは積れかし
929 思ひきや花にやせたる御姿
930 影法師月に並んで静かなり

931 きぬぎぬや裏の篠原露多し
932 見送るや春の潮のひたひたに
933 人に言へぬ願の糸の乱れかな
934 君が名や硯に書いては洗ひ消す
935 橋落ちて恋中絶えぬ五月雨
936 忘れしか知らぬ顔して畠打つ
937 行春を琴掻き鳴らし掻き乱す
938 五月雨や鏡曇りて恨めしき
939 生れ代るも物憂からましわすれ草
940 化石して強面なくならう朧月

    二十九年十月    愚陀拝



熊本市合羽町二百三十七番地 夏目金之助より
下谷区上根岸町八十二番地 正岡常規へ



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