夏目漱石俳句集 <五十音順> は


夏目漱石俳句集


<五十音順>





はい 灰色の空低れかゝる枯野哉 1443
徘徊す蓮あるをもて朝な夕な 1239
佩環の鏘然として梅白し 1585
売茶翁花に隠るゝ身なりけり 2366
配所には干網多し春の月 580
配達ののぞいて行くや秋の水 945
拝殿に花吹き込むや鈴の音 1146
灰に濡れて立つや薄と萩の中 1688
梅林や角巾黄なる売茶翁 1598
枚をふくむ三百人や秋の霜 1383
はう 羽団扇や朧に見ゆる神の輿 604
はき 歯ぎしりの下婢恐ろしや春の宵 730
掃溜や錯落として梅の影 554
萩と歯朶に賛書く月の団居哉 2487
萩に置く露の重きに病む身かな 2246
萩に伏し薄にみだれ故里は 1264
萩の粥月待つ庵となりにけり 2310
はき易し鞋にいたしひびの足 1484
はく 白雲や山又山を這ひ回り 7
剥製の鵙鳴かなくに昼淋し 1730
博徒市に闘ふあとや二更の冬の月 995
白桃や瑪瑙の梭で織る錦 611
白梅にしぶきかゝるや水車 2453
白梅に千鳥啼くなり浜の寺 584
白梅や易を講ずる蘇東坡服 1556
白馬遅々たり冬の日薄き砂堤 408
白封に訃音と書いて漸寒し 1416
白牡丹李白が顔に崩れけり 2445
はけ 葉鶏頭高さ五尺に育てけり 2311
葉鶏頭団子の串を削りけり 1681
はし 端居して秋近き夜や空を見る 1706
橋落ちて恋中絶えぬ五月雨 935
橋杭に小さき渦や春の川 2323
橋朽ちて冬川枯るゝ月夜哉 477
梯して上る大盤石の氷かな 1454
橋立の一筋長き小春かな 326
橋立や松一筋に秋の空 1968
橋なくて遂に渡れぬ枯野哉 2303
橋の霜継て渡れと書き残す 521
はじめての鮒屋泊りをしぐれけり 1037
芭蕉忌や茶の花折つて奉る 321
芭蕉ならん思ひがけなく戸を打つば 1291
芭蕉破れて塀破れて旗翩々たり 74
はす 蓮剪りに行つたげな椽に僧を待つ 1935
蓮毎に来るべし新たなる夏 2512
蓮に添へてぬめの白さよ漾虚集 1936
蓮の葉に蜘蛛下りけり香を焚く 1873
蓮の葉に麩はとゞまりぬ鯉の色 1945
蓮の欄舟に鋏を渡しけり 1944
はた 畠打の梅を繞ぐつて動きけり 1594
肌寒と申し襦袢の贈物 1717
肌寒み禄を離れし謡ひ声 1126
肌寒や膝を崩さず坐るべく 958
肌寒や羅漢思ひ思ひに坐す 92
肌寒をかこつも君の情かな 2173
はたと逢ふ夜興引ならん岩の角 1464
旗一竿菊のなかなる主人かな 2021
馬盥や水烟して朝寒し 950
機を織る孀二十で行く秋や 918
はち ぱちぱちと枯葉焚くなり薬師堂 971
はつ 初秋の千本の松動きけり 868
初秋の隣に住むや池の坊 1703
初秋の芭蕉動きぬ枕元 2099
初秋をふるひかへせしおこり哉 1244
初鴉東の方を新枕 1353
ばつさりと後架の上の一葉かな 1869
初時雨五山の交る交る哉 266
初時雨故人の像を拝しけり 1874
初時雨吾に持病の疝気あり 1313
八寸の菊作る僧あり山の寺 271
初蝶や菜の花なくて淋しかろ 655
初日の出しだいに見ゆる雲静か 2094
初冬の琴面白の音じめ哉 968
初冬や向上の一路未だ開かず 965
初冬や竹切る山の鉈の音 410
初冬を刻むや烈士喜剣の碑 967
初雪や庫裏は真鴨をたゝく音 312
初雪や小路へ入る納豆売 328
初夢や金も拾はず死にもせず 153
はと 鳩鳴いて烟の如き春に入る 1853
鳩の糞春の夕の絵馬白し 630
はな 花一木穴賢しと見上たる 1374
花売に寒し真珠の耳飾 1820
花売は一軒置て隣りなり 769
花落チテ砕ケシ影ト流レケリ 1972
花曇り尾上の鐘の響かな 2058
花曇り御八つに食ふは団子哉 2363
花芒小便すれば馬逸す 208
花に来たり瑟を鼓するに意ある人 736
花に暮れて由ある人にはぐれけり 540
花に濡るゝ傘なき人の雨を寒み 1141
花に寝ん夢になと来て遇ひたまへ 788
花に酔ふ事を許さぬ物思ひ 52
花の影、女の影の朧かな 1886
花の影女の影を重ねけり 1895
花の頃を越えてかしこし馬に嫁 1884
花の寺黒き仏の尊さよ 1651
花食まば鶯の糞も赤からん 1926
花びらに風薫りては散らんとす 2117
花びらの狂ひや菊の旗日和 2017
花嫁の馬で越ゆるや山桜 1884
花嫁の喰はぬといひし亥の子哉 463
離れては寄りては菊の蝶一つ 1382
花を活けて京音の寡婦なまめかし 727
はね 桔槹切れて梅ちる月夜哉 659
はは 祖母様の大振袖や土用干 836
婆様の御寺へ一人桜かな 273
はふ 羽二重の足袋めしますや嫁が君 439
はま 蛤とならざるをいたみ菊の露 1750
蛤や折々見ゆる海の城 595
浜に住んで朝貌小さきうらみ哉 1231
はや 早鐘の恐ろしかりし木の葉哉 1310
はら 払へども払へどもわが袖の雪 1483
薔薇ちるや天似孫の詩見厭たり 1844
はらはらとせう事なしに萩の露 161
原広し吾門前の星月夜 923
腸に春滴るや粥の味 2261
はり ばりばりと氷踏みけり谷の道 1476
玻璃盤に露のしたゝる苺かな 1840
玻璃瓶に糸瓜の水や二升程 1729
張まぜの屏風になくや蟋蟀 1412
はる 春王の正月蟹の軍さ哉 262
春惜む句をめいめいに作りけり 2419
春惜む茶に正客の和尚哉 2416
春惜む日ありて尼の木魚哉 2414
春惜む人にしきりに訪はれけり 2073
春風に祖師西来の意あるべし 1513
春風にそら解け襦子の銘は何 1898
春風に吹かれ心地や温泉の戻り 2337
春風や惟然が耳に馬の鈴 1882
春風や女の馬子の何歌ふ 167
春風や故人に贈る九花蘭 2452
春風や永井兵助の人だかり 670
春風や吉田通れば二階から 767
春暮るゝ月の都に帰り行 603
春恋し朝妻船に流さるゝ 639
春此頃化石せんとの願あり 1520
春寒く社頭に鶴ヲ夢ミケリ 1918
春寒し未だ狐の裘 2356
春寒し印陀羅といふ画工あり 1046
春寒し墓に懸けたる季子の剣 1108
春寒の社頭に鶴を夢みけり 1918
春雨の隣の琴は六段か 1358
春雨の夜すがら物を思はする 1160
春雨や京菜の尻の濡るゝほど 2351
春雨や四国遍路の木賃宿 2503
春雨や爪革濡るゝ湯屋迄 1904
春雨や寐ながら横に梅を見る 46
春雨や身をすり寄せて一つ傘 2475
春雨や柳の中を濡れて行く 41
春大震塔も擬宝珠もねぢれけり 549
春に入つて近頃青し鉄行燈 666
春の雨あるは順礼古手買 496
春の雨鶯も来よ夜着の中 174
春の雨鍋と釜とを運びけり 1784
春の雨晴れんとしては烟る哉 175
春の海に橋を懸けたり五大堂 781
春の江の開いて遠し寺の塔 753
春の顔真白に歌舞伎役者哉 2361
春の川橋を渡れば柳哉 169
春の川故ある人を脊負ひけり 156
春の川を隔てゝ男女かな 2440
春の雲峰をはなれて流れけり 740
春の星を落して夜半のかざしかな 1888
春の発句よき短冊に書いてやりぬ 2314
春の水岩ヲ抱イテ流レケリ 1971
春の水馬の端綱をひたしけり 2505
春の水たるむはづなを濡しけり 2056
春の雪朱盆に載せて惜しまるゝ 587
春の宵神木折れて静かなり 610
春の夜の雲に濡らすや洗ひ髪 1889
春の夜の御悩平癒の祈祷哉 629
春の夜のしば笛を吹く書生哉 1372
春の夜の琵琶聞えけり天女の祠 592
春の夜の若衆にくしや伊達小袖 168
春の夜や金の無心に小提灯 2396
春の夜や局をさがる衣の音 1159
春の夜や妻に教はる荻江節 2348
春の夜や独り汗かく神の馬 606
春の夜を兼好緇衣に恨みあり 1094
春の夜を小謡はやる家中哉 1124
春の夜を辻講釈にふかしける 626
春はものゝ句になり易し京の町 2100
春は物の句になり易し古短冊 1089
春深き里にて隣り梭の音 2398
春待つや云へらく無事は是貴人 404
春三日よしのゝ桜一重なり 105
春もうし東楼西家何歌ふ 642
春や今宵歌つかまつる御姿 1890
春を待つ下宿の人や書一巻 1909
春を待つ支那水仙や浅き鉢 2435
はん 樊かい(口偏に會)や闥を排して茸の飯 1732
半月や松の間より光妙寺 1235
播州へ短冊やるや今朝の春 2312
半鐘とならんで高き冬木哉 526
半途より滝吹き返す落葉かな 118


  

Copyright(C) まさじ (Masaji) 2009-

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