夏目漱石俳句集 <五十音順> か


夏目漱石俳句集


<五十音順>





かい 骸骨や是も美人のなれの果 32
骸骨を叩いて見たる菫かな 1857
海棠の精が出てくる月夜かな 1891
海棠の露をふるふや朝烏 1894
海棠の露をふるふや物狂ひ 1885
垣間見る芙蓉に露の傾きぬ 1974
廻廊に吹きこむ海の吹雪かな 618
廻廊の柱の影や海の月 883
かえ 帰らんとして帰らぬ様や濡れ燕 1673
帰り路は鞭も鳴さぬ日永かな 2501
顧みる我面影やすでに秋 2210
帰り見れば蕎麦まだ白き稲みのる 2113
帰るは嬉し梧桐の未だ青きうち 2179
帰るべくて帰らぬ吾に月今宵 2180
帰ろふと泣かずに笑へ時鳥 1
かお 顔洗ふ盥に立つや秋の影 1694
顔黒く鉢巻赤し泳ぐ人 1113
顔にふるゝ芭蕉涼しや籐の寝椅子 1707
かか 化学とは花火を造る術ならん 1728
かき 柿売るや隣の家は紙を漉く 154
垣老て虞美人草のあらはなる 2092
柿落ちてうたゝ短かき日となりぬ 1314
かき殻を屋根にわびしや秋の雨 1901
かきならす灰の中より木の葉哉 1002
柿の葉や一つ一つに月の影 19
柿一つ枝に残りて烏哉 2220
柿紅葉せり纏はる蔦の青き哉 2200
限りなき春の風なり馬の上 776
かく かくて世を我から古りし紙衣哉 324
楽に更けて短き夜なり公使館 1225
廓燃無聖達磨の像や水仙花 300
隠れ住んで此御降や世に遠し 1911
かけ 掛稲やしぶがき垂るる門構 108
掛稲や塀の白きは庄屋らし 218
影多き梧桐に据る床几かな 1165
崖下に紫苑咲きけり石の間 81
影参差松三本の月夜哉 504
賭にせん命は五文河豚汁 365
駆け上る松の小山や初日の出 1347
影二つうつる夜あらん星の井戸 1261
影法師月に並んで静かなり 930
懸物の軸だけ落ちて壁の秋 2286
陽炎に蟹の泡ふく干潟かな 645
陽炎の落ちつきかねて草の上 493
陽炎や百歩の園に我立てり 2379
かこ 囲ひあらで湯槽に逼る狭霧かな 1670
駕舁の京へと急ぐ女郎花 1423
籠の鳥に餌をやる頃や水温む 2059
かさ がさがさと紙衣振へば霰かな 1005
傘さして後向なり杜若 1188
かざすだに面はゆげなる扇子哉 822
重なるは親子か雨に鳴く鶉 988
重ぬべき単衣も持たず肌寒し 1663
かし かしこしや未来を霜の笹結び 1458
かしこまりて憐れや秋の膝頭 1409
かしこまる膝のあたりやそゞろ寒 1721
かしこみて易を読む儒の夜を長み 1410
嫁し去つてなれぬ砧に急がしき 1294
かす 春日野は牛の糞まで焼てけり 715
霞みけり物見の松に熊坂が 1081
霞たつて朱塗の橋の消にけり 596
霞むのは高い松なり国境 760
霞む日や巡礼親子二人なり 590
かせ 風折々萩先づ散つて芒哉 2272
風が吹く幕の御紋は下り藤 768
化石して強面なくならう朧月 940
風に聞け何れか先に散る木の葉 2245
風に乗って軽くのし行く燕かな 50
風吹くや下京辺のわたぼうし 455
風ふけば糸瓜をなぐるふくべ哉 66
かそ 数ふべく大きな芋の葉なりけり 2202
かた 片折戸菊押し倒し開きけり 1311
片々や犬盗みたるわらじ足袋 438
かたかりき鞋喰ひ込む足袋の股 1484
堅き梨に鈍き刃物を添てけり 1660
堅炭の形ちくづさぬ行衛哉 985
形ばかりの浴す菊の二日哉 2229
刀うつ槌の響や春の風 653
肩に来て人懐かしや赤蜻蛉 2214
かたまつて野武士落行枯野哉 1007
かたまるや散るや蛍の川の上 799
片寄する琴に落ちけり朧月 1363
語り出す祭文は何宵の秋 1690
かち かち渡る鹿や半ばに返り見る 1965
かつ 戛々と鼓刀の肆に時雨けり 673
角巾を吹き落し行く野分かな 1809
戛と鳴て鶴飛び去りぬ闇の梅 1586
かと 門に立てば酒乞ふ人や帽に花 2049
門柳五本並んで枝垂れけり 623
かに 蚊にあけて口許りなり蟇の面 1203
蟹に負けて飯蛸の足五本なり 682
かね 鐘つけば銀杏ちるなり建長寺 56
かは 蚊ばしらや断食堂の夕暮に 2511
蒲殿の愈悲し枯尾花 478
かふ 冠せぬ男も船に春の風 2265
禿いふわしや煩ふて花の春 737
かへ 壁隣り秋稍更けしよしみの灯 2285
壁に映る芭蕉夢かや戦ぐ音 2293
壁に脊を涼しからんの裸哉 2292
壁に達磨それも墨画の芒哉 2288
壁の穴風を引くべく鞘寒し 962
壁一重隣に聴いて砧かな 2294
かま 鎌倉堂野分の中に傾けり 209
鎌倉へ下る日春の惜しき哉 2421
鎌さして案内の出たり滝紅葉 229
かみ 上画津や青き水菜に白き蝶 1150
神垣や紅葉を翳す巫女の袖 1751
神かけて祈る恋なし宇佐の春 1441
雷の図にのりすぎて落にけり 2029
髪に真珠肌あらはなる涼しさよ 1931
神の住む春山白き雲を吐く 600
紙雛つるして枝垂桜哉 2381
かめ 亀なるが泳いできては背を曝す 1118
かも 醸し得たる一斗の酒や家二軒 1764
加茂にわたす橋の多さよ春の風 1924
かや 蚊帳青く涼しき顔にふきつける 1842
蚊帳越しに見る山青し杉木立 2298
から 傘を菊にさしたり新屋敷 1305
乾鮭と並ぶや壁の棕櫚箒 374
乾鮭のからついてゐる柱かな 1407
乾鮭や薄く切れとの仰せなり 1511
烏瓜塀に売家の札はりたり 79
烏飛んで夕日に動く冬木かな 613
枳殻の芽を吹く垣や春惜む 2420
からつくや風に吹かれし納豆売 486
唐の名は頓とわからず草の花 1724
搦手やはね橋下す朧月 1366
かり 仮位牌焚く線香に黒む迄 29
かりがねの斜に渡る帆綱かな 2007
雁の拍子ぬけたる氷哉 471
かりそめの病なれども朝寒み 2301
雁ぢやとて鳴ぬものかは妻ぢやもの 194
かりにする寺小屋なれど梅の花 2472
刈り残す粟にさしたり三日の月 1252
雁や渡る乳玻璃に細き灯を護る 2008
かれ 枯蘆の廿日流れぬ氷哉 472
枯芒北に向つて靡きけり 1446
枯ながら蔦の氷れる岩哉 466
枯残るは尾花なるべし一つ家 1027
枯野原汽車に化けたる狸あり 674
枯蓮を被むつて浮きし小鴨哉 339
枯柳緑なる頃妹逝けり 338
枯柳芽ばるべしども見えぬ哉 129
かわ 川ありて遂に渡れぬ枯野かな 2036
川霧に呼はんとして舟見えざる 1258
革羽織古めかしたる寒かな 979
川幅の五尺に足らで菫かな 689
蝙蝠に近し小鍛冶が槌の音 1838
蝙蝠の宵々毎や薄き粥 2269
蝙蝠や賊の酒呑む古館 1194
蝙蝠や一筋町の旅芸者 1837
川向ひ桜咲きけり今戸焼 755
厠より鹿と覚しや鼻の息 1979
川を隔て散点す牛霞みけり 1083
かん 願かけて観音様へ紅の花 291
寒菊や京の茶を売る夫婦もの 1774
寒菊やこゝをあるけと三俵 123
看経の下は蓮池の戦かな 1934
巌窟の羅漢共こそ寒からめ 1451
寒月やから堀端のうどん売 391
寒月や薙刀かざす荒法師 392
菅公に梅さかざれば蘭の花 1399
寒垢離や王事もろきなしと聞きつれど 393
寒山か拾得か蜂に螫されしは 1069
元日に生れぬ先の親恋し 572
元日の富士に逢ひけり馬の上 1502
元日の山を後ろに清き温泉 1344
元日や生れぬ先の親恋し 572
元日や蹣跚として吾思ひ 1042
元日や吾新たなる願あり 1045
萱草の一輪咲きぬ草の中 2441
寒徹骨梅を娶ると夢みけり 1571
かんてらや師走の宿に寐つかれず 1334
巌頭に本堂くらき寒かな 1455
寒梅に磬を打つなり月桂寺 1630
漢方や柑子花さく門構 1172
冠に花散り来る羯鼓哉 2417
冠を挂けて柳の緑哉 2315


  


Copyright(C) まさじ (Masaji) 2009-

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