夏目漱石俳句集

アクセスカウンタ

zoom RSS 正岡子規へ送りたる句稿 その三十五

<<   作成日時 : 2010/07/21 18:25   >>

ナイス ブログ気持玉 1 / トラックバック 0 / コメント 0



句稿 三十五  〔二十九句〕

明治三十二年十月十七日(火)

1711 いかめしき門を這入れば蕎麦の花
1712 粟みのる畠を借して敷地なり
1713 松を出てまばゆくぞある露の原
1714 韋編断えて夜寒の倉に束ねたる
1715 秋はふみ吾に天下の志
1716 頓首して新酒門内に許されず
1717 肌寒と申し襦袢の贈物
1718 孔孟の道貧ならず稲の花
1719 古ぼけし油絵をかけ秋の蝶
1720 赤き物少しは参れ蕃椒

1721 かしこまる膝のあたりやそゞろ寒
1722 朝寒の顔を揃へし机かな
1723 先生の疎髯を吹くや秋の風
1724 本名は頓とわからず草の花
1725 苔青く末枯るゝべきものもなし
1726 南窓に写真を焼くや赤蜻蛉
1727 暗室や心得たりときりぎりす
1728 化学とは花火を造る術ならん
1729 玻璃瓶に糸瓜の水や二升程
1730 剥製の鵙鳴かなくに昼淋し

1731 魚も祭らず獺老いて秋の風
1732 樊かい(口偏に會)や闥を排して茸の飯
1733 大食を上座に粟の飯黄なり
1734 瓜西瓜富婁那ならぬはなかりけり
1735 就中うましと思ふ柿と栗
1736 稲妻の目にも留らぬ勝負哉
1737 容赦なく瓢を叩く糸瓜かな
1738 転けし芋の鳥渡起き直る健気さよ
1739 靡けども芒を倒し能はざる

    十月十七日       漱石拝
  正



熊本市内坪井町七十八番地 夏目金之助より
下谷区上根岸町八十二番地 正岡常規へ



前へ  最初へ


Copyright(C) まさじ (Masaji) 2009-

テーマ

注目テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ
気持玉数 : 1
ナイス

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
正岡子規へ送りたる句稿 その三十五 夏目漱石俳句集/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる