夏目漱石俳句集

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zoom RSS 夏目漱石俳句集 <制作年順> 明治32年-1 (1430〜1540)

<<   作成日時 : 2009/12/01 02:18   >>

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夏目漱石俳句集


<制作年順>





明治32年(1899年)

1430 我に許せ元日なれば朝寝坊

1431 金泥の鶴や朱塗の屠蘇の盃
1432 宇佐に行くや佳き日を選む初暦
1433 梅の神に如何なる恋や祈るらん
1434 うつくしき蜑の頭や春の鯛
1435 蕭条たる古駅に入るや春の夕
1436 兀として鳥居立ちけり冬木立
1437 神苑に鶴放ちけり梅の花
1438 ぬかづいて曰く正月二日なり
1439 松の苔鶴痩せながら神の春
1440 南無弓矢八幡殿に御慶かな

1441 神かけて祈る恋なし宇佐の春
1442 呉橋や若菜を洗ふ寄藻川
1443 灰色の空低れかゝる枯野哉
1444 無提灯で枯野を通る寒哉
1445 石標や残る一株の枯芒
1446 枯芒北に向つて靡きけり
1447 遠く見る枯野の中の烟かな
1448 暗がりに雑巾を踏む寒哉
1449 冬ざれや狢をつるす軒の下
1450 凩や岩に取りつく羅漢路

1451 巌窟の羅漢共こそ寒からめ
1452 釣鐘に雲氷るべく山高し
1453 凩の鐘楼危ふし巌の角
1454 梯して上る大盤石の氷かな
1455 巌頭に本堂くらき寒かな
1456 絶壁に木枯あたるひゞきかな
1457 雛僧の只風呂吹と答へけり
1458 かしこしや未来を霜の笹結び
1459 二世かけて結ぶちぎりや雪の笹
1460 短かくて毛布つぎ足す蒲団かな

1461 泊り合す旅商人の寒がるよ
1462 寐まらんとすれど衾の薄くして
1463 頭巾着たる猟師に逢ひぬ谷深み
1464 はたと逢ふ夜興引ならん岩の角
1465 谷深み杉を流すや冬の川
1466 冬木流す人は猿の如くなり
1467 帽頭や思ひがけなき岩の雪
1468 石の山凩に吹かれ裸なり
1469 凩のまがりくねつて響きけり
1470 凩の吹くべき松も生えざりき

1471 年々や凩吹て尖る山
1472 凩の峰は剣の如くなり
1473 恐ろしき岩の色なり玉霰
1474 只寒し天狭くして水青く
1475 目ともいはず口ともいはず吹雪哉
1476 ばりばりと氷踏みけり谷の道
1477 道端や氷りつきたる高箒
1478 たまさかに据風呂焚くや冬の雨
1479 せぐゝまる蒲団の中や夜もすがら
1480 薄蒲団なえし毛脛を擦りけり

1481 僧に似たるが宿り合せぬ雪今宵
1482 雪ちらちら峠にかかる合羽かな
1483 払へども払へどもわが袖の雪
1484 かたかりき鞋喰ひ込む足袋の股
1485 隧道の口に大なる氷柱かな
1486 吹きまくる雪の下なり日田の町
1487 炭を積む馬の脊に降る雪まだら
1488 漸くに又起きあがる吹雪かな
1489 詩僧死して只凩の里なりき
1490 蓆帆の早瀬を上る霰かな

1491 奔湍に霰ふり込む根笹かな
1492 つるぎ洗ふ武夫もなし玉霰
1493 新道は一直線の寒さかな
1494 棒鼻より三里と答ふ吹雪哉
1495 なつかしむ衾に聞くや馬の鈴
1496 親方と呼びかけられし毛布哉
1497 餅搗や明星光る杵の先
1498 行く年の左したる思慮もなかりけり
1499 染め直す古服もなし年の暮
1500 やかましき姑健なり年の暮

1501 ニッケルの時計とまりぬ寒き夜半
1502 元日の富士に逢ひけり馬の上
1503 蓬莱に初日さし込む書院哉
1504 光琳の屏風に咲くや福寿草
1505 眸に入る富士大いなり春の楼
1506 馬に蹴られ吹雪の中に倒れけり
1507 雪の客僧に似たりや五七日
1508 沈まざる南瓜浮名を流しけり
1509 石打てばかららんと鳴る氷哉
1510 楽しんで蓋をあくれば干鱈哉

1511 乾鮭や薄く切れとの仰せなり
1512 妾と郎離別を語る柳哉
1513 春風に祖師西来の意あるべし
1514 禅僧に旛動きけり春の風
1515 郎を待つ待合茶屋の柳かな
1516 鞭つて牛動かざる日永かな
1517 わが歌の胡弓にのらぬ朧かな
1518 煩悩の朧に似たる夜もありき
1519 吾折々死なんと思ふ朧かな
1520 春此頃化石せんとの願あり

1521 招かれて隣に更けし歌留多哉
1522 追羽子や君稚児髷の黒眼勝
1523 耄碌と名のつく老の頭巾かな
1524 筋違に葱を切るなり都振
1525 玉葱の煮えざるを焦つ火鉢哉
1526 湯豆腐に霰飛び込む床几哉
1527 立ん坊の地団太を踏む寒かな
1528 べんべらを一枚着たる寒さかな
1529 ある時は鉢叩かうと思ひけり
1530 寄り添へば冷たき瀬戸の火鉢かな

1531 雪を煮て煮立つ音の涼しさよ
1532 挙して曰く可なく不可なし蕪汁
1533 善か悪か風呂吹を喰つて我点せよ
1534 何の故に恐縮したる生海鼠哉
1535 老たん(耳偏に冉)のうとき耳ほる火燵かな
1536 仏画く殿司の窓や梅の花
1537 夫子貧に梅花書屋の粥薄し
1538 手を入るゝ水餅白し納屋の梅
1539 馬の尻に尾して下るや岨の梅
1540 ある程の梅に名なきはなかり鳧



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