夏目漱石俳句集

アクセスカウンタ

zoom RSS 夏目漱石俳句集 <制作年順> 明治29年-2 (621〜730)

<<   作成日時 : 2009/11/24 22:06   >>

ブログ気持玉 0 / トラックバック 12 / コメント 0


夏目漱石俳句集


<制作年順>





明治29年(1896年)

621 乱山の尽きて原なり春の風
622 都府楼の瓦硯洗ふや春の水
623 門柳五本並んで枝垂れけり
624 若草や水の滴たる蜆籠
625 月落ちて仏灯青し梅の花
626 春の夜を辻講釈にふかしける
627 蕭郎の腕環偸むや春の月
628 護摩壇に金鈴響く春の雨
629 春の夜の御悩平癒の祈祷哉
630 鳩の糞春の夕の絵馬白し

631 伽羅焚て君を留むる朧かな
632 辻占のもし君ならば朧月
633 蘭燈に詩をかく春の恨み哉
634 恐ろしや経を血でかく朧月
635 着衣始め紫衣を給はる僧都あり
636 物草の太郎の上や揚雲雀
637 野を焼けば焼けるなり間の抜ける程
638 涅槃像鰒に死なざる本意なさよ
639 春恋し朝妻船に流さるゝ
640 潮風に若君黒し二日灸

641 枸杞の垣田楽焼くは此奥か
642 春もうし東楼西家何歌ふ
643 猫知らず寺に飼はれて恋わたる
644 芹洗ふ藁家の門や温泉の流
645 陽炎に蟹の泡ふく干潟かな
646 さらさらと筮竹もむや春の雨
647 日永哉豆に眠がる神の馬
648 古瓢柱に懸けて蜂巣くふ
649 ゆく春や振分髪も肩過ぎぬ
650 御館のつらつら椿咲にけり

651 二つかと見れば一つに飛ぶや蝶
652 唐人の飴売見えぬ柳かな
653 刀うつ槌の響や春の風
654 踏はづす蛙是へと田舟哉
655 初蝶や菜の花なくて淋しかろ
656 曳船やすり切つて行く蘆の角
657 勅なれば紅梅咲て女かな
658 紅梅に通ふ築地の崩哉
659 桔槹切れて梅ちる月夜哉
660 濡燕御休みあつて然るべし

661 雉子の声大竹原を鳴り渡る
662 雨がふる浄瑠璃坂の傀儡師
663 むくむくと砂の中より春の水
664 白き砂の吹ては沈む春の水
665 金屏を幾所かきさく猫の恋
666 春に入つて近頃青し鉄行
667 朧の夜五右衛門風呂にうなる客
668 永き日や徳山の棒趙州の払
669 飯食ふてねむがる男畠打つ
670 春風や永井兵助の人だかり

671 居合抜けば燕ひらりと身をかはす
672 物言はで腹ふくれたる河豚かな
673 戛々と鼓刀の肆に時雨けり
674 枯野原汽車に化けたる狸あり
675 其中に白木の宮や梅の花
676 章魚眠る春潮落ちて岩の間
677 山伏の並ぶ関所や梅の花
678 梅ちるや月夜に廻る水車
679 兵児殿の梅見に御ぢやる朱鞘哉
680 酒醒て梅白き夜の冴返る

681 飯蛸の頭に兵と吹矢かな
682 蟹に負けて飯蛸の足五本なり
683 梓弓岩を砕けば春の水
684 山路来て梅にすくまる馬上哉
685 若党や一歩さがりて梅の花
686 青石を取り巻く庭の菫かな
687 犬去つてむつくと起る蒲公英が
688 大和路や紀の路へつゞく菫草
689 川幅の五尺に足らで菫かな
690 三日雨四日梅咲く日誌かな

691 双六や姉妹向ふ春の宵
692 生海苔のこゝは品川東海寺
693 菜の花の中に糞ひる飛脚哉
694 菜の花や門前の小僧経を読む
695 菜の花を通り抜ければ城下かな
696 海見ゆれど中々長き菜畑哉
697 海見えて行けども行けども菜畑哉
698 麦二寸あるは又四五寸の旅路哉
699 莚帆の真上に鳴くや揚雲雀
700 風船にとまりて見たる雲雀哉

701 落つるなり天に向つて揚雲雀
702 雨晴れて南山春の雲を吐く
703 むづからせ給はぬ雛の育ち哉
704 去年今年大きうなりて帰る雁
705 一群や北能州へ帰る雁
706 爪下り海に入日の菜畑哉
707 里の子の猫加へけり涅槃像
708 鶯のほうと許りで失せにけり
709 鶯や雨少し降りて衣紋坂
710 鶯の去れども貧にやつれけり

711 鶯や田圃の中の赤鳥居
712 鶯をまた聞きまする昼餉哉
713 三日月や野は穢多村へ焼て行く
714 旧道や焼野の匂ひ笠の雨
715 春日野は牛の糞まで焼てけり
716 宵々の窓ほのあかし山焼く火
717 野に山に焼き立てられて雉の声
718 野を焼くや道標焦る官有地
719 篠竹の垣を隔てゝ焼野哉
720 村と村河を隔てゝ焼野哉

721 蝶に思ふいつ振袖で嫁ぐべき
722 老ぬるを蝶に背いて繰る糸や
723 御簾揺れて蝶御覧ずらん人の影
724 蝶舐る朱硯の水澱みたり
725 蔵つきたり紅梅の枝黒い塀
726 山三里桜に足駄穿きながら
727 花を活けて京音の寡婦なまめかし
728 鶯や隣あり主人垣を覗く
729 連立て帰うと雁皆去りぬ
730 歯ぎしりの下婢恐ろしや春の宵



前へ 次へ


Copyright(C) まさじ (Masaji) 2009-

テーマ

注目テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ

トラックバック(12件)

タイトル (本文) ブログ名/日時
夏目漱石俳句集 <制作年順> 明治29年-1 (517〜620)
夏目漱石俳句集 <制作年順> ...続きを見る
夏目漱石俳句集
2009/11/24 22:09
夏目漱石俳句集 目次 <制作年順>
夏目漱石俳句集 <制作年順> ...続きを見る
夏目漱石俳句集
2009/11/24 22:11
夏目漱石俳句集 <制作年順> 明治29年-3 (731〜840)
夏目漱石俳句集 <制作年順> ...続きを見る
夏目漱石俳句集
2009/11/25 15:16
漱石の俳句歳時記 門柳 [春:植物] 門柳五本並んで枝垂れけり
門柳五本並んで枝垂れけり 漱石 ...続きを見る
夏目漱石俳句集
2011/06/17 16:56
漱石の俳句歳時記 菜畑 [春:植物] 海見えて行けども行けども菜畑哉
海見えて行けども行けども菜畑哉 漱石 ...続きを見る
夏目漱石俳句集
2011/06/17 18:04
漱石の俳句歳時記 蒲公英 [春:植物] 犬去つてむつくと起る蒲公英が
犬去つてむつくと起る蒲公英が 漱石 ...続きを見る
夏目漱石俳句集
2011/06/17 18:34
漱石の俳句歳時記 枸杞 [春:植物] 枸杞の垣田楽焼くは此奥か
枸杞の垣田楽焼くは此奥か 漱石 ...続きを見る
夏目漱石俳句集
2017/03/11 09:24
漱石の俳句歳時記 若草 [春:植物] 若草や水の滴たる蜆籠
若草や水の滴たる蜆籠 漱石 ...続きを見る
夏目漱石俳句集
2017/05/07 11:57
漱石の俳句歳時記 芹 [春:植物] 芹洗ふ藁家の門や温泉の流
芹洗ふ藁家の門や温泉の流 漱石 ...続きを見る
夏目漱石俳句集
2017/05/07 12:49
漱石の俳句歳時記 蘆の角 [春:植物] 曳船やすり切つて行く蘆の角
曳船やすり切つて行く蘆の角 漱石 ...続きを見る
夏目漱石俳句集
2017/05/07 14:46
漱石の俳句歳時記 麦 [夏:植物] 麦二寸あるは又四五寸の旅路哉
麦二寸あるは又四五寸の旅路哉 漱石 ...続きを見る
夏目漱石俳句集
2017/07/09 10:54
漱石の俳句歳時記 海苔 [春:植物] 生海苔のこゝは品川東海寺
生海苔のこゝは品川東海寺 漱石 ...続きを見る
夏目漱石俳句集
2017/08/30 23:55

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
夏目漱石俳句集 <制作年順> 明治29年-2 (621〜730) 夏目漱石俳句集/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる