夏目漱石俳句集

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zoom RSS 夏目漱石俳句集 <制作年順> 明治28年-1 (53〜170)

<<   作成日時 : 2009/11/21 08:17   >>

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夏目漱石俳句集


<制作年順>





明治28年(1895年)

53 夜三更僧去つて梅の月夜かな
54 ゆく水の朝な夕なに忙しき
55 将軍の古塚あれて草の花
56 鐘つけば銀杏ちるなり建長寺
57 白露や芙蓉したたる音すなり
58 長き夜を唯蝋燭の流れけり
59 乗りながら馬の糞する野菊哉
60 馬に二人霧をいでたり鈴のおと

61 泥亀のながれ出でたり落し水
62 うてや砧これは都の詩人なり
63 明けやすき七日の夜を朝寝かな
64 秋の蝉死に度くもなき声音かな
65 柳ちるかたかは町や水のおと
66 風ふけば糸瓜をなぐるふくべ哉
67 爺と婆さびしき秋の彼岸かな
68 稲妻やをりをり見ゆる滝の底
69 親一人子一人盆のあはれなり
70 夕月や野川をわたる人はたれ

71 蓑虫のなくや長夜のあけかねて
72 便船や夜を行く雁のあとや先
73 蘭の香や門を出づれば日の御旗
74 芭蕉破れて塀破れて旗翩々たり
75 朝寒に樒売り来る男かな
76 朝貌や垣根に捨てし黍のから
77 柳ちる紺屋の門の小川かな
78 見上ぐれば城屹として秋の空
79 烏瓜塀に売家の札はりたり
80 縄簾裏をのぞけば木槿かな

81 崖下に紫苑咲きけり石の間
82 独りわびて僧何占ふ秋の暮
83 痩馬の尻こそはゆし秋の蠅
84 鶏頭や秋田漠々家二三
85 秋の山南を向いて寺二つ
86 汽車去つて稲の波うつ畑かな
87 鶏頭の黄色は淋し常楽寺
88 杉木立中に古りたり秋の寺
89 尼二人梶の七葉に何を書く
90 聨古りて山門閉ぢぬ芋の蔓

91 渋柿や寺の後の芋畠
92 肌寒や羅漢思ひ思ひに坐す
93 秋の空名もなき山の愈高し
94 曼珠沙花門前の秋風紅一点
95 黄檗の僧今やなし千秋寺
96 三方は竹緑なり秋の水
97 藪影や魚も動かず秋の水
98 山四方中を十里の稲莚<
99 一里行けば一里吹くなり稲の風
100 色鳥や天高くして山小なり

101 大藪や数を尽して蜻蛉とぶ
102 秋の山後ろは大海ならんかし
103 土佐で見ば猶近からん秋の山
104 帰燕いづくにか帰る草茫々
105 春三日よしのゝ桜一重なり
106 驀地に凩ふくや鳰の湖
107 わがやどの柿熟したり鳥来たり
108 掛稲やしぶがき垂るる門構
109 疾く帰れ母一人ます菊の庵
110 秋の雲只むらむらと別れ哉

111 見つゝ行け旅に病むとも秋の不二
112 この夕野分に向て分れけり
113 お立ちやるかお立ちやれ新酒菊の花
114 凩に裸で御はす仁王哉
115 吹き上げて塔より上の落葉かな
116 五重の塔吹き上げられて落葉かな
117 滝壺に寄りもつかれぬ落葉かな
118 半途より滝吹き返す落葉かな
119 男滝女滝上よ下よと木の葉かな
120 時雨るゝや右手なる一の台場より

121 洞門に颯と舞ひ込む木の葉かな
122 御手洗や去ればこゝにも石蕗の花
123 寒菊やこゝをあるけと三俵
124 冬の山人通ふとも見えざりき
125 此枯野あはれ出よかし狐だに
126 閼伽桶や水仙折れて薄氷
127 凩に鯨潮吹く平戸かな
128 勢ひひく逆櫓は五丁鯨舟
129 枯柳芽ばるべしども見えぬ哉
130 茶の花や白きが故に翁の像

131 山茶花の折らねば折らで散りに鳧
132 時雨るゝや泥猫眠る経の上
133 凩や弦のきれたる弓のそり
134 飲む事一斗白菊折つて舞はん哉
135 憂ひあらば此酒に酔へ菊の主
136 黄菊白菊酒中の天地貧ならず
137 菊の香や晋の高士は酒が好き
138 兵ものに酒ふるまはん菊の花
139 紅葉散るちりゝちりゝとちゞくれて
140 簫吹くは大納言なり月の宴

141 紅葉をば禁裏へ参る琵琶法師
142 紅葉ちる竹縁ぬれて五六枚
143 麓にも秋立ちにけり滝の音
144 うそ寒や灯火ゆるぐ滝の音
145 宿かりて宮司が庭の紅葉かな
146 むら紅葉是より滝へ十五丁
147 雲処々岩に喰ひ込む紅葉哉
148 見ゆる限り月の下なり海と山
149 時鳥あれに見ゆるが知恩院
150 名は桜物の見事に散る事よ

151 巡礼と野辺につれ立つ日永哉
152 反橋に梅の花こそ畏しこけれ
153 初夢や金も拾はず死にもせず
154 柿売るや隣の家は紙を漉く
155 蘆の花夫より川は曲りけり
156 春の川故ある人を脊負ひけり
157 草山の重なり合へる小春哉
158 時雨るゝや聞としもなく寺の屋根
159 憂き事を紙衣にかこつ一人哉
160 日の入や秋風遠く鳴て来る

161 はらはらとせう事なしに萩の露
162 煩悩は百八減つて今朝の春
163 ちとやすめ張子の虎も春の雨
164 恋猫や主人は心地例ならず
165 見返れば又一ゆるぎ柳かな
166 不立文字白梅一木咲きにけり
167 春風や女の馬子の何歌ふ
168 春の夜の若衆にくしや伊達小袖
169 春の川橋を渡れば柳哉
170 うねうねと心安さよ春の水



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