夏目漱石俳句集

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zoom RSS 夏目漱石俳句集 <制作年順> 明治31年 (1327〜1429)

<<   作成日時 : 2009/11/30 21:15   >>

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夏目漱石俳句集


<制作年順>





明治31年(1898年)

1327 行く年や猫うづくまる膝の上
1328 焚かんとす枯葉にまじる霰哉
1329 切口の白き芭蕉に氷りつく
1330 家を出て師走の雨に合羽哉

1331 何をつゝき鴉あつまる冬の畠
1332 降りやんで蜜柑まだらに雪の舟
1333 此炭の喞つべき世をいぶるかな
1334 かんてらや師走の宿に寐つかれず
1335 温泉の門に師走の熟柿かな
1336 温泉の山や蜜柑の山の南側
1337 海近し寐鴨をうちし筒の音
1338 天草の後ろに寒き入日かな
1339 日に映ずほうけし薄枯ながら
1340 旅にして申訳なく暮るゝ年

1341 凩の沖へとあるゝ筑紫潟
1342 うき除夜を壁に向へば影法師
1343 床の上に菊枯れながら明の春
1344 元日の山を後ろに清き温泉
1345 酒を呼んで酔はず明けたり今朝の春
1346 稍遅し山を背にして初日影
1347 駆け上る松の小山や初日の出
1348 甘からぬ屠蘇や旅なる酔心地
1349 温泉や水滑かに去年の垢
1350 此春を御慶もいはで雪多し

1351 正月の男といはれ拙に処す
1352 色々の雲の中より初日出
1353 初鴉東の方を新枕
1354 僧帰る竹の裡こそ寒からめ
1355 桐かれて洩れ来る月の影多し
1356 一尺の梅を座右に置く机
1357 梅ちつてそゞろなつかしむ新俳句
1358 春雨の隣の琴は六段か
1359 瓢かけてからからと鳴る春の風
1360 鳥籠を柳にかけて狭き庭

1361 来よといふに来らずやみし桜かな
1362 三条の上で逢ひけり朧月
1363 片寄する琴に落ちけり朧月
1364 こぬ殿に月朧也高き楼
1365 行き行きて朧に笙を吹く別れ
1366 搦手やはね橋下す朧月
1367 有耶無耶の柳近頃緑也
1368 颯と打つ夜網の音や春の川
1369 永き日を太鼓打つ手のゆるむ也
1370 湧くからに流るゝからに春の水

1371 禰宜の子の烏帽子つけたり藤の花
1372 春の夜のしば笛を吹く書生哉
1373 海を見て十歩に足らぬ畑を打つ
1374 花一木穴賢しと見上たる
1375 仏かく宅磨が家や梅の花
1376 鶴を切る板は五尺の春の椽
1377 思ひ切つて五分に刈りたる袷かな
1378 となりから月曇らする蚊やり哉
1379 松風の絶へ間を蝉のしぐれかな
1380 小き馬車に積み込まれけり稲の花

1381 夕暮の秋海棠に蝶うとし
1382 離れては寄りては菊の蝶一つ
1383 枚をふくむ三百人や秋の霜
1384 胡児驕つて驚きやすし雁の声
1385 砧うつ真夜中頃に句を得たり
1386 踊りけり拍子をとりて月ながら
1387 茶布巾の黄はさめ易き秋となる
1388 長かれと夜すがら語る二人かな
1389 子は雀身は蛤のうきわかれ
1390 相撲取の屈託顔や午の雨

1391 ものいはぬ案山子に鳥の近寄らず
1392 病む頃を雁来紅に雨多し
1393 寺借りて二十日になりぬ鶏頭花
1394 恩給に事を欠かでや種瓢
1395 早稲晩稲花なら見せう萩紫苑
1396 生垣の丈かり揃へ晴るゝ秋
1397 秋寒し此頃あるゝ海の色
1398 夜相撲やかんてらの灯をふきつける
1399 菅公に梅さかざれば蘭の花
1400 朝顏や手拭懸に這ひ上る

1401 能もなき渋柿どもや門の内
1402 立枯の唐黍鳴つて物憂かり
1403 逢ふ恋の打たでやみけり小夜砧
1404 蝶来りしほらしき名の江戸菊に
1405 塩焼や鮎に渋びたる好みあり
1406 一株の芒動くや鉢の中
1407 乾鮭のからついてゐる柱かな
1408 病妻の閨に灯ともし暮るゝ秋
1409 かしこまりて憐れや秋の膝頭
1410 かしこみて易を読む儒の夜を長み

1411 長き夜や土瓶をしたむ台所
1412 張まぜの屏風になくや蟋蟀
1413 うそ寒み油ぎつたる枕紙
1414 病むからに行燈の華の夜を長み
1415 秋の暮野狐精来り見えて曰く
1416 白封に訃音と書いて漸寒し
1417 落ち合ひて新酒に名乗る医者易者
1418 憂あり新酒の酔に託すべく
1419 苫もりて夢こそ覚むれ荻の声
1420 秋の日のつれなく見えし別かな

1421 行く秋の関廟の香炉烟なし
1422 朝寒の楊子使ふや流し元
1423 駕舁の京へと急ぐ女郎花
1424 柳散り柳散りつゝ細る恋
1425 病癒えず蹲る夜の野分かな
1426 つるんだる蜻蛉飛ぶなり水の上
1427 菊作る奴がわざの接木かな
1428 ゆゝしくも合羽に包むつぎ木かな
1429 風呂に入れば裏の山より初嵐



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