夏目漱石俳句集

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zoom RSS 夏目漱石俳句集 <制作年順> 明治30年-2 (1101〜1200)

<<   作成日時 : 2009/11/27 18:25   >>

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夏目漱石俳句集


<制作年順>





明治30年(1897年)

1101 生き返り御覧ぜよ梅の咲く忌日
1102 古瓦を得つ水仙のもとに硯彫む
1103 狸化けぬ柳枯れぬと心得て
1104 梓彫る春雨多し湖泊堂
1105 古往今来切つて血の出ぬ海鼠かな
1106 西函嶺を踰えて海鼠に眼鼻なし
1107 土筆物言はずすんすんとのびたり
1108 春寒し墓に懸けたる季子の剣
1109 抜くは長井兵助の太刀春の風
1110 剣寒し闥を排して樊かいが

1111 太刀佩て恋する雛ぞむつかしき
1112 浪人の刀錆びたり時鳥
1113 顔黒く鉢巻赤し泳ぐ人
1114 深うして渡れず余は泳がれず
1115 裸体なる先生胡坐す水泳所
1116 泳ぎ上がり河童驚く暑かな
1117 泥川に小児つどいて泳ぎけり
1118 亀なるが泳いできては背を曝す
1119 いの字よりはの字むつかし梅の花
1120 夏書する黄檗の僧名は即非

1121 客に賦あり墨磨り流す月の前
1122 巨燵にて一筆しめし参らせう
1123 金泥もて法華経写す日永哉
1124 春の夜を小謡はやる家中哉
1125 隣より謡ふて来たり夏の月
1126 肌寒み禄を離れし謡ひ声
1127 謡師の子は鼓うつ時雨かな
1128 謡ふものは誰ぞ桜に灯ともして
1129 八時の広き畑打つ一人かな
1130 角落ちて首傾けて奈良の鹿

1131 菜の花の中へ大きな入日かな
1132 木瓜咲くや筮竹の音算木の音
1133 若鮎の焦つてこそは上るらめ
1134 夥し窓春の風門春の水
1135 据風呂に傘さしかけて春の雨
1136 泥海の猶しづかなり春の暮
1137 石磴や曇る肥前の春の山
1138 松をもて囲ひし谷の桜かな
1139 雨に雲に桜濡れたり山の陰
1140 菜の花の遥かに黄なり筑後川

1141 花に濡るゝ傘なき人の雨を寒み
1142 人に逢はず雨ふる山の花盛
1143 筑後路や丸い山吹く春の風
1144 山高し動ともすれば春曇る
1145 濃かに弥生の雲の流れけり
1146 拝殿に花吹き込むや鈴の音
1147 金襴の軸懸け替て春の風
1148 留針や故郷の蝶余所の蝶
1149 しめ縄や春の水湧く水前寺
1150 上画津や青き水菜に白き蝶

1151 菜種咲く小島を抱いて浅き川
1152 棹さして舟押し出すや春の川
1153 柳ありて白き家鴨に枝垂たり
1154 就中高き桜をくるりくるり
1155 魚は皆上らんとして春の川
1156 青葉勝に見ゆる小村の幟かな
1157 行く春を剃り落したる眉青し
1158 行く春を沈香亭の牡丹哉
1159 春の夜や局をさがる衣の音
1160 春雨の夜すがら物を思はする

1161 埒もなく禅師肥たり更衣
1162 よき人のわざとがましや更衣
1163 更衣て弟の脛何ぞ太き
1164 埋もれて若葉の中や水の音
1165 影多き梧桐に据る床几かな
1166 郭公茶の間へまかる通夜の人
1167 蹴付たる讐の枕や子規
1168 辻君に袖牽れけり子規
1169 扛げ兼て妹が手細し鮓の石
1170 小賢しき犬吠付や更衣

1171 七筋を心利きたる鵜匠哉
1172 漢方や柑子花さく門構
1173 若葉して半簾の雨に臥したる
1174 妾宅や牡丹に会す琴の弟子
1175 世はいづれ棕櫚の花さへ穂に出でつ
1176 立て懸て蛍這ひけり草箒
1177 若葉して縁切榎切られたる
1178 でゞ虫の角ふり立てゝ井戸の端
1179 溜池に蛙闘ふ卯月かな
1180 虚無僧に犬吠えかゝる桐の花

1181 筍や思ひがけなき垣根より
1182 若竹や名も知らぬ人の墓の傍
1183 若竹の夕に入て動きけり
1184 鞭鳴す馬車の埃や麦の秋
1185 渡らんとして谷に橋なし閑古鳥
1186 折り添て文にも書かず杜若
1187 八重にして芥子の赤きぞ恨みなる
1188 傘さして後向なり杜若
1189 蘭湯に浴すと書て詩人なり
1190 すゝめたる鮓を皆迄参りたり

1191 鮓桶の乾かで臭し蝸牛
1192 生臭き鮓を食ふや佐野の人
1193 粽食ふ夜汽車や膳所の小商人
1194 蝙蝠や賊の酒呑む古館
1195 不出来なる粽と申しおこすなる
1196 五月雨や小袖をほどく酒のしみ
1197 五月雨の壁落しけり枕元
1198 五月雨や四つ手繕ふ旧士族
1199 目を病んで灯ともさぬ夜や五月雨
1200 馬の蠅牛の蠅来る宿屋かな



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